■ VOLVO 940の修理事例
001 ラジエターホースから液漏れ
ラジエターのサブタンクまわりからクーラント液がじわじわ漏れている状態の940。プラスチックパーツやゴムホースの経年劣化が原因ですが、この場合は新品部品の交換で解決。劣化が進む中古部品は避けました。
002 ドアのアウターハンドルが不具合
ドアの開閉がスムーズにできない940。分解点検すると…内部のピンが割れた状態で、アウターハンドルの交換作業が必要でした。同車の場合は、信頼度が高い純正部品を選択、無事に作業を終えました。
003 カムシャフトプーリ欠損
メカに詳しい素人オーナーさん自身がエンジンを分解、組み立てなおしたという940。無事に始動したものの、突然、停止してしまったとのご相談を受けて、調べてみると…カムシャフトのプーリが空回りしていたことが判明。ネジの締め付けが甘く、ピンが飛び抜けてしまったのが原因でした。やはり素人作業は極力避け、プロに任せることをお勧めします。
004 エンジンから水漏れが…
940ターボのエンジン部分から、何やら水が滲み出して、すこぶる不調に……。点検すると、シリンダーヘッドとブロックの間にあるヘッドガスケットからの冷却水漏れと分かりました。早速、エンジンの面研業者へシリンダーヘッドの歪み矯正を外注。加えて、ガスケットやパッキン類などを新品と交換。無事に修理を終えました。
005 バッテリー接点の緩み…
エンジン始動するとアイドリングが定まらず、時には停止したり……。こんな悩みで入庫してきた940。原因究明にじっくりと時間をかけると、バッテリーのプラス側ターミナル部分に接触不良が判明。この個所は燃料系やセルモーターなどのコンピューター稼働にかかわっているため、エンジンの不調になる可能性が高く、入念に磨きなおしたうえで、しっかりとネジ止め。たったこれだけで、エンジンは快調に動き出しました。
006 リアゲートのロック不良
「940のリアゲートがちゃんと閉まらない…」というトラブルで入庫。このケースは、ほとんどが経年による油ぎれが原因で、ロック機構のパーツを交換しなくても大丈夫です。スプレー式の潤滑油(CRCなど)をロックピンあたりに注油すれば、ほとんどの場合、修復できます。同じ症状でお悩みの方は、一度、お試しください。
007 イモビ付きキーを紛失…
電子的な照合システムで専用のキー以外ではエンジン始動できない仕組みのイモビライザー。自動車の盗難を防止する便利で安心のキーシステムですが、紛失してしまうと…実にやっかいで、大がかりな修理が必要となってしまいます。入庫してきた940は、まさに、このトラブルを抱えての修理となりました。まず、エンジンコントロールユニット(ECU=マイコン)本体とイモビ付きキーの両方を中古で探し出し、《移植》する方法で、無事に解決しました。
008 ステアリングの擦れ音…
ハンドル操作のたびに、こすれるような嫌な音…。とくに車庫入れの際は右に左にと何度もハンドルを回すので、この嫌な音が頻繁に伴うこととなります。入庫してきた940は、まさにこのケース。調べてみると、足元に近いハンドルポスト(筒)からの異音と分かり、早速に分解作業。そして、内部のスプリング個所にグリスアップのスプレーを吹きかけることによって、擦れ音が解消しました。
009 中古エンジンに載せ換え
エンジンブローでシリンダーヘッド部分などが損傷した940。オーバーホールするには高額費用が必要なため、同じ中古エンジンを探し出して修理することを選択し、ガスケットやパペットパッキンなどの消耗個所を交換したうえで、載せ換えを実施しました。
010 リアゲートのロック不良
940ステーションワゴンのリアゲートを閉じようとしてもロックがかからず、きっちりと閉じないまま、ガタガタと音をたてながら走行……。こんな状態を「なんとかしてほしい」と入庫してきて、点検してみると、単なる油ぎれでロック機構がうまく作動できていないだけと分かり、早速、分解してグリスアップ。パーツ交換なしで、修理を終えました。
011 ラジエターが水漏れ寸前
940のボンネットを開けると…ラジエター部分から水漏れ補修液が流れ出して、かさぶた状の塊になっているのを発見。詳しく調べると…アッパーホースが劣化でヒビ割れしていて、ここから、じわじわと水漏れが始まっていると判断しました。オーナーさんにアドバイスしたのち、ラジエターまわりのホース(社外品)交換を実施しました。
012 ウインドモールの劣化
940のフロントガラスまわりのラバーモール(枠)が経年劣化して…「ガラス固定のほか雨漏りの心配が出てきた」と入庫。この部分のパーツは入手困難のため、柔らかいラバーを使っての補修作業を実施しました。
013 バキュームホース交換
エンジンの調子が悪いという940が入庫してきて点検すると、ボンネット内の一部ゴムホース類が高温による劣化で、ボロボロの状態になっていました。不調の原因は…タービンのホースからエア漏れが発生していて、バルブが作動しない状況に陥っていました。早速、新品のホースに交換すると、スムーズに回転が上がるエンジンに生まれ変わりました。
014 水温計の不具合
水温計が正常に働かない940が入庫。コンデンサー(抵抗器)とメーター本体の故障を調べるため、まずメーターパネルをすっぽり取り外して確認。2つのパーツを交換して動作させると無事に復旧しました。万一、パーツ交換で解決しない場合は、メーターアッセンブリ全体を専門修理業者へ外注する必要があり、高コストになるケースもあります。
015 テールランプの交換
プラスチックカバーが劣化して、濁ったくすみが生じているテールランプ。940のオーナーさんから「なんとかなりませんか?」と相談を持ちかけられ、状態から判断して、左右ともに新品に交換することをお勧めしました。軽度の濁りなら磨きでの処理も可能ですが、ここはスッキリとクリアな復旧にこだわりました。
016 Pシートの配線修理
運転席のパワーシートが動かなくなった940。座席部分を分解してめくり上げると、ウレタンやワイヤースプリングなどが張り巡らされ、その中に配線が組まれているため、ドライバーが座るたびに“摩擦”が発生、断線に至るケースがあります。この940もそんな事例で、配線を1本1本点検していくと、やはり断線個所が見つかりました。修理は配線のやり直しで完了。パワーシートは無事に修復しました。
017 ATシフトノブの交換
経年劣化でヒビ割れを起こした940のATシフトノブ。走行の弊害になるため、緊急に新しいノブと交換することになりました。このタイプにはオーバードライブのスイッチが組み込まれているので、まずはスイッチの配線(ハンダ)除去作業のうえ、ノブを引き抜く必要があります。